東南アジアでの商機を見つける5つのポイント

こんにちは。ベトナムで食品企業を12年間運営している荒島が、統計などのデータ上では分からない、現地の生の情報をお伝えするコラムです。

今回は、東南アジアに進出する際、一からコンテンツを考える方法について5つお伝えします。一から起業する場合はもちろん、新規事業を起こそうと考えている方々にも必見の内容です。

筆者は実際にベトナムで起業し、試行錯誤を重ねながら現在まで事業を経営してきました。小さな料理教室から始まった事業も、今は大手コンビニ向け商品開発や、高級デパートへの出店など、順調に拡大しています。

そんな実際の経験をもとに、商機を見つける方法についてお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

筆者プロフィール

荒島由也・スター・コンサルティング・ジャパン 代表 https://www.star-consulting-japan.com・STAR KITCHEN 代表  https://www.starkitchen-vietnam-gift.com/・独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業アドバイザー(新事業開拓)」神戸市海外ビジネスセンターアドバイザー、岩手県産業創造アドバイザー・日越外交樹立50周年”両国の未来を牽引する若者(U40) (2023)

1.タイムマシン経営の概念を利用する

1つ目のポイントは、「タイムマシン経営」です。これはもともとは、「海外で流行った商品を日本に持ち込んで展開する」ことを指します。タイムマシンで遡るように、すでにあるサービスを、まだないところに持っていくわけですね。

東南アジアに進出する場合は、この元々の意味とは矢印が逆になります。つまり、「日本にあるが東南アジアに無いものを、日本から持ち込んで展開する」ということです。日本のサービスレベルは高いため、東南アジアに行くと足りないものが見つかりやすいです。日本と東南アジアをよく比較し、「足りない」という気づきを通して、現地の潜在ニーズを発掘してみましょう。

2.人間の欲望は世界共通で、そこに商機を見出す

筆者は、ベトナムで雑談をするとき、休日に何をしているか尋ねることがあります。返って来る答えは、SNSを見る、バイクで走る、ヨガをする、など、日本での趣味の内容とよく似たものが多いです。特に近年は、単なる衣食住の充足を越えた「趣味」をする人が増えています。

経済が発展していくと、自己実現や承認欲求などのサービスが広がって行きます。これは、人間の欲望の発展の仕方として、世界共通です。こうした「世界の人が共通して思う感情」には、商機があると考えられます。

ただし、味覚やファッションセンスなど、具体的な機能部分になると国ごとに大きく違いがでます。実際に事業内容を検討する際、この点には気を付けなければいけません。

3.日本人であることが価値になることを探す

海外に行くと、「特定の国出身であることがビジネス上の価値になること」があります。例えばダンスはK-POPが人気ですし、ヨガはインドが人気です。日本のイメージの中で、人気が高いのは和食や日本食です。和食はユネスコ無形文化遺産にも登録されており、世界的に一大コンテンツになっています。

例えば海外で寿司屋をしようと思うとき、日本人であることは大きな価値になります。消費者が寿司屋に入って「いらっしゃいませ」と言われただけで、本物の日本人がいると思い、それが価値になるのです。

寿司に限らず、食品を海外に販売する際は、日本食のイメージを活用したマーケティングをすることを考えてみるといいかもしれません。

4.一番最初にする

一番最初にすることは、それ自体が商機に繋がりやすいです。筆者がベトナムで立ち上げた料理教室も、初の「日本人がやっている料理教室」でした。一番最初にすることのメリットは二つです。

一つ目は、競合がいないと初めの集客がやりやすいという点です。これにより、ビジネスの立ち上がりが楽になります。

二つ目は、ブランディング上の利点です。「○○初」と名乗ることができれば、メディア掲載が増えるのです。メディアに注目されることで、必ずしも消費者が増えるとは限りませんが、メディア掲載があると信頼度が上がります。信頼度が上がると、対外的な集客がやりやすくなるのです。また、メディアに掲載されることは、従業員へのモチベーションアップにも繋がります。

5.実際に住んで仮説を磨く

ここまでの1~4で、商機を見出しやすいポイントについてお伝えしました。ですが、一番大切なことは、これらのポイントを参考にしつつ実際に消費者の潜在ニーズを探すことです。そのためには、現地に住んでみて、町を歩き、人と話して、「これがあったら現地の人は嬉しいのではないか」という潜在ニーズについて気づく必要があります。

データは日本にいても集めることができますが、現地に行ってみなければ分からないことがたくさんあります。例えば、筆者は、実際にベトナムにくるとイメージよりもはるかに発展していて驚きました。また、観光で訪れるのと長期に住んでみるのもまた異なるため、実際に住んでみるのがおすすめです。ネット上のデータにも動画にも出ない情報を、自分の足で探しに行ってみましょう。

6.今回のまとめ

今回は、東南アジアでの起業や新規事業の立ち上げに際して、潜在ニーズを発掘するためのポイントについてお伝えしました。

東南アジアは今まさに経済成長を続けている場所です。その成長に伴い、消費者も趣味や付加価値商品にお金を使うことができるようになっていくでしょう。その潜在ニーズをつかむことで、一獲千金の商機をつかめるかもしれません。

今回のコラムが、海外進出を検討する皆様の参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

スター・コンサルティング・ジャパン・STAR KITCHEN
代表

海外展開、洋菓子製造・販売専門家

プロフィール
スター・コンサルティング・ジャパン代表、STAR KITCHEN創業者。ベトナムで料理教室、洋菓子製造・販売事業も展開。ホーチミン高島屋に店舗を持つ他、 スターバックス、セブンイレブンなどを取引先に持つ。

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